3rd down
「清香ちゃんはアメリカ留学していたのねー」

『はい』

ディレクターに話し、ここは編集でカットしてもらうように頼み込んで、リポーターの質問に答える。

「じゃあ最後に桜庭くんにインタビューするから案内してくれる?」

清香はキョロキョロと桜庭を探す。

桜庭はすぐに見つかる。

先ほどのベンチプレスの場所にいたのだ。

清香はリポーターをベンチプレスへと案内する。

「桜庭くーん!」

駆けてゆくリポーターを眺め見る。

「ごめんね、彼女行動力がありすぎて」

ディレクターが申し訳無さそうに話しかけてくる。

『いえ、構いません』

「庄司監督が指定した時間までもう少しだから、もうちょっと案内してくれるかな」

『はい!』

ディレクターとカメラマンと共にベンチプレスの器具へ向かう。

そこには桜庭だけでなく、清十郎と三年の大田原誠もいた。

ベンチプレスを行っている清十郎の横には先ほどのリポーターがいる。

「すごい量の重りですね!何tくらいあるんでしょうか!」

『…』

「いやtはない、tは…」

ディレクターは冷や汗を流しながら呟く。
清香は何も言えなかった。

「私も、20kgに挑戦してみます。よいしょ!」

横のベンチに寝転び、両方に5kgずつの重りを乗せたリポーターがバーベルを持ち上げる。

ふらふらと持ち上げるリポーター。
20kgなら女性は普通だろう。

そのときだった、ドゴン!という大きい音とともに悪臭が漂う。

『くさっ…!?』

その悪臭を間近で浴びたリポーターは気を失う。

慌ててディレクターとカメラマンがリポーターを介抱する。

「き、今日はもう無理そうだな。じゃあ取材は終わりにしよう」

「そ、そうッスね!」

スタッフ数人がやってきて、気を失ったリポーターを運び出した。




prevnext

(3/22)

bkm



back(表紙へ戻ります)
top

※章内ページ一覧へは
ブラウザバックでお戻りください
×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -