2nd down
「清香、ちょっといいかな」

『何?伊知郎』

高見に呼び止められ、高見の方へ向かう清香。

「実は5分間だけなんだが、スポーツGOGOという番組の撮影があるんだ」

『え?今から!?』

「だから言っているんだろう」

眼鏡をクイとあげる高見。
去っていった庄司を指差す。

清香も同じように振り向くと、確かにリポーターの女性とディレクターとカメラマンが庄司と話していた。

『だから、私が案内しろと?』

「よく分かってるじゃないか」

伊知郎…性格変わった?と文句をいいながら庄司の元へ向かう清香。

「すまんな、選手は全員明日の準備で忙しくてな」

『…構いませんよ』

庄司はリポーターに向き直る。

「こいつが案内する。5分だけだからな」

「分かってますよおー!5分ですね!」

『えっと…よろしくお願いします』

リポーターの女性はよくテレビで見る顔だ。

「お名前は?」

『え、あの…進清香っていいます』

「清香ちゃんね?よろしくー」

突然ディレクターの男性が食いついてくる。

カメラマンも驚いて清香にカメラを向けた。

「え!?進ってことは、進清十郎選手と関係があるのかい」

『ふ、双子の姉です』

「進って?」

「君、本当によくこの仕事に採用されたね…」

ディレクターはリポーターに説明をし出す。

これ、神龍寺の皆が見たらどうしよう…とハラハラする清香。

生放送ではないと知ってはいるがアメフトの番組なら彼らが見逃すはずはない。

「じゃあ進清十郎選手のお姉さん、清香ちゃんにトレーニングルームを案内してもらいまーす!」

説明が終わったらしく、指示された通りに話すリポーター。

『じゃあ、案内します』

清香は深くため息をついた。


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