泥門戦前日の部活。
今日は実践練習ではなく、筋トレの日だった。
清香は小春と一緒に選手のデータをまとめていた。
「清香さん、明日は泥門戦ですね!」
『うん、そうだね。王城の戦歴を見る限り心配はしてないんだけど』
「なにか心配事が?」
清香は数日前に清十郎と話したアイシールド21のことを思い出す。
『どうやら泥門には隠し玉があるらしくて』
「え!?隠し玉…ですか」
『残り9秒で逆転だからね。侮れないよ』
庄司にもう終わりだと言われ、データ整理を終える。
「若菜、今日はもう遅いからお前は上がれ。明日は高校に8時集合だ」
「は、はい!それでは清香さん、監督、失礼します」
小春は整理し終えたファイルを庄司に手渡し、頭を下げてトレーニングルームから出て行く。
じゃあね、と手を振る清香。
視線を感じ、庄司の方を振り向く。
「隠し玉…か」
突然に切り出されるセリフ。
『ええ。王城だから大丈夫だとはおもいますが、一応頭に入れておいた方が良いかもしれません』
「そうか…進がスタメンにいない状況でどこまでやれるかという意味もあって、明日の試合は楽しみにしている」
『私もです』
ではな、といって去っていく庄司。
清香はベンチプレスを行っている清十郎と桜庭の方へと向かった。
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