19th down
じゃあ俺はこっちだから、と言って手を振りながら去っていく高見。

その後ろ姿を見つめる清香と清十郎。

しばらく沈黙が続き、清香がふと口を開く。

『次の試合って泥門でしょ?この試合、多分あの高校が来ると思う』

清十郎は眉をぴくっと動かす。

「神龍寺…」

『そう。雲水達は清十郎がベンチスタートなんて知らないから、きっと清十郎をビデオに撮るために大勢来ると思うんだ。だから』

「だから俺は出ない方がいい…と?」

清十郎は清香を睨む。
そんな清十郎を見て、清香は慌てた。

『ち、違う!そういうことじゃなくて…ちょっと私今日阿含と色々あって』

「金剛阿含か」

『うん、女ってこと神龍寺で堂々と言ったことなくて。今日それが先輩達にもバレちゃって今週末、試合の前に神龍寺に行くことになったんだ』

清十郎はため息をつく。

「自業自得だ。あれほど神龍寺はやめろと言った」

『し、仕方ないじゃん!だって…』

清香は目をそらす。

『いや、なんでもない』

何かを言い掛けた清香。
清十郎は追求しなかった。



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