『皆お疲れ様です!』
部活が終わり、着替えもすんだホワイトナイツの選手達に挨拶をする清香。
そこへ清十郎と高見がやってくる。
「清香、帰るぞ」
「やあ、今日はお疲れ」
同時に発された言葉に、清十郎と高見は互いを見た。
「進、お邪魔してもいいかい?」
「ええ、構いません」
高見は清十郎に了承をとると清香の横に並んだ。
相変わらず律儀だなーと苦笑いする清香。
ふと桜庭がいないことに気づき、辺りを見渡す。
『今日は春人はいないんだね』
「ああ、仕事があるってすぐに帰ったよ」
『仕事!?春人ってどこでバイトしてるの?』
高見はキョトンとして清香を見る。
そしてひきつった顔で清十郎を見た。
「まさか清香って桜庭の仕事知らないのか。あれだけ学校で騒がれてるのに?」
「恐らくは」
二人の会話に首を傾げるしかない清香。
『いったい何のこと?』
「あのな、桜庭はアイドルなんだ」
『アイドル…ってあの雑誌とかテレビとかに出てる?』
高見は頭をかかえる。
まさか本当に知らなかったなんて。
『え、春人すごい。清十郎知ってたの?』
「ああ」
私が知らないことを清十郎が知ってるなんて…!と衝撃を受ける清香。
そんな清香を見た高見は思い出したように近くのファストフード店を指差す。
「清香、あそこにある店の広告を見てごらん。桜庭がいるだろう」
あ!と大声を出す清香。
“アメリカンバーガー!”
確かに広告では桜庭がウインクをしている。
今度そのことを聞いてみよう!
そう心に決めた清香だった。
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