「えぇ〜!?清香さん神龍寺にいたんですかあっ?」
小春が身を乗り出し、とても驚いた顔で清香を見つめる。
『小春っ!声がでかいっ』
しぃーっと人差し指を口元に当てながら小春を諫める清香。
ラブは小さな声で続けた。
「清香様素晴らしいです!」
『え、どこが』
余りにも唐突すぎる褒め言葉に数秒間フリーズする清香。
「だってあの神龍寺ってかなりの名門校ですよ?そこに男装して入学するなんて素晴らし過ぎます…」
両手を祈るように組み、キラキラとした目で清香に訴えかけるラブ。
「ラブちゃん…ちょっと激しすぎない?愛情表現というかなんというか」
小春が苦笑いをする。
清香は食べ終わった弁当を包み直しながら、一緒に笑う。
『色々あったんだよ』
小春とラブは顔を見合わせる。
「なんか進さんとはまた違った意味で不思議な人ですよね清香さんって」
小春はその場に立ち、スカートの泥を払いながら呟く。
「でも素敵です!」
とラブ。
清香は同じように苦笑いをする。
立派な校舎から予鈴が聞こえる。
なんでここでチャイムなんだろうか、あえて鐘の音でも良かったのでは…?
清香はそう思う。
ラブの一言でこの場は解散となったが……無理やり連れてこられたため道が分からない清香。
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