清香は当てはまる席に座った。
『なんで……』
清香の席は横6列の右から4番目の1番前である。
授業で必ず指されるポジション。
「………」
清十郎の席は横6列の右から3番目の1番前の席である。
つまりは清香の右隣。
そして同じく授業で必ず指名されるであろうポジション。
「また近くなったね」
桜庭の席は横6列の右から3番目の2番目の席である。
つまり清十郎の後ろで清香の右斜め後ろの席。
清香の左には女子。
後ろには男子がきた。
「アメフト部三人が前に来たね」
ニコニコと笑う藤川先生。
意図的ではないか、と清香は軽く疑いそうになった。
8:55のチャイムがなり、朝のHRが終わって先生が号令をかけ、出て行った。
桜庭は早速清香に話しかける。
「まさか俺らとクラス一緒なんてね〜。驚いちゃったよ」
『私も…。嬉しいけどね、春人とも清十郎とも一緒のクラスで!』
桜庭はその言葉を聞き、微笑む。
「しかしこの席ではな」
清十郎が正面を向きながら言う。
『うん…まさか隣になるなんて』
「俺とお前、そして桜庭の身長では後方の人々の視界を遮り、支障をきたす恐れがある」
『そっち!?』
相変わらず感性が違うというか…と清香は清十郎を見て考える。
『春人は高いよね。何センチ?』
「俺は186。高見さんは192だよ」
感心する清香。
高見と桜庭で約190……。
『そっか…。私の知り合いよりは低いかな?アイツ高かったし』
そう呟きハッとする清香。
「…アイツ?」
桜庭が聞き返し、清十郎も清香の方を向き不審そうな顔をした。
『ごめん!何でもないよ!』
あははと笑ってごまかす清香。
桜庭が問おうと口を開きかけたとき、先生がドアから入ってきた。
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