『え…?進…様??………ぷっ』
進様という単語を聞いた途端、大爆笑し出す清香。
清十郎似の女子は慌て出す。
「な、なんで笑うんですか!?」
『いや進様って…清十郎だよね?』
清香が清十郎のことを呼び捨てにしたことでびっくりする女子。
「し、進様とお知り合いなのですか!?詳しく聞かせて下さい!!」
言っても良いのかと悩む清香。
しばらく考えると話し出す。
『清十郎の双子の姉だよ』
女子は目を見開く。
そして、清香の手をがっしりと握り締めた。
「お名前は!!?」
『え、え〜っと、清香』
たじたじになる清香。
栄光橋のど真ん中で起こっているこの騒ぎに人だかりが出来始める。
「清香様!!どうかお友達になってくださいっ!私、干徳ラブと言います!」
『(…ホストクラブ?)』
軽く聞き間違えた清香はもう一度聞き返した。
「干徳、ラブです!お好きにお呼び下さいね清香様っ!」
『じゃあラブ…で』
きゃあきゃあと喜ぶラブ。
『(清十郎が女の子だったらこんな感じなのかなあ。似てるし)』
自分の容貌を棚に上げて、変なことを思いつく清香。
「でも…似ていますね!」
『そうかな?』
人だかりを押しのけながら栄光橋を進んでいく清香とラブ。
ふと携帯を見ると……
『8:17………?』
やばい。
そう思った清香。
ラブに、また後で!と叫び全速力で走り出した。
「走り方まで似ています…」
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