37th down
『大和、あの……』

しばらく大和は落ち込んでいた。

清香も心配していたが、気持ちがわかるだけに何も言えなかった。

『ご飯、一緒にいいかな?』

食堂にいる大和を見た時も、大和は清香を避けるようにしていた。

清香もまた落ち込んでいた。

まさかパンサーの一件でこんなことになるとは。

清香は大和が落ち着くまで、大和と会わないことを決めたのだった。


大和は部活に顔を出さなくなった。

流石に心配した清香はジョンに尋ねる。

『ヤマトを見てないんだけど、知ってる?』

ジョンはびくりと肩を震わせる。

「お、俺は知らない」

清香は疑問を抱きながらも別の選手に。

「知らない」

「しばらく、見てない」

「あいつのことなんて知るわけないだろ」

「学校でも見てないな」

次々と選手の口から出る言葉に清香は学校の事務室へと走った。


『あの大和は、タケル・ヤマトはいまどこに?』


「タケル・ヤマト……?そんな人、うちにはいないよ」


清香は絶望した。

なんでこんなことに?

学校自体から存在が消されているというのか。

そうなるまで放っておいたのは誰だ。

『私じゃん……!』

清香は理事室へ足を運んだ。

しかし理事長から帰ってきた言葉も同じようなものだった。

『嘘……嘘だよ』

大和の携帯に電話をかける。

“おかけになった電話は現在使われておりません”

無機質な声。

清香は寮の部屋に戻った。

そして人目をはばからずに、泣いた。


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bkm



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