9th down
清香たちはキッドと陸、そして西部の選手達に見送られながら牧場をあとにした。

次に乗せてもらったのはバイクの集団。

怖く見えても根は優しい人達なのだ。

『皆さんはどこにいくの?』

男の人の背に捕まり、清香は叫んだ。

風で声が良く聞き取れない。

「バイク乗りが集まる集会があるんだ!その会場まで乗せて行ってやるよ!!」

男は笑って答える。

なるほど。

そこからまたヒッチハイクをしなければならないのだ。

ふと隣を見ると、後ろから上がってきたバイクの背には見慣れない女の子。

しかもアジア顔。

『あの子も連れなの?』

「いや、空港付近で拾ってやったんだ!アメフトのトライアウト会場まで連れてってやるんだよ」

清香は驚いた。

ちょうど私もそこへ行きたかったのだ。

そのことを伝えると、ちょうどいいじゃねえか!と大声を出される。

「ジャパニーズガールだってよ!お前さんもだろ」

『うん、そうだよ!』

バイクのスピードはさらに上がる。

清香は振り落とされないように頑張って捕まった。

横にいた女の子と目が合う。

軽く笑うと、その女の子は驚いている。

そりゃヒッチハイクしたバイクに偶然別の日本人ヒッチハイカーがいるんだもんね。

『あなた、名前は!』

清香は叫んだ。

「私、瀧鈴音!!」

『鈴音!よろしく!私は清香よ!!』

お互いにバイクの上から叫ぶ。

少し車体が離れただけで全然声が届かなくなってしまう。

清香は苦笑し、トライアウト会場まで待とうと思ったのだった。


prevnext

(9/12)

bkm



back(表紙へ戻ります)
top

※章内ページ一覧へは
ブラウザバックでお戻りください
×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -