次の日、セナたちは朝早くに牧場を出ていった。
清香とサラは昼過ぎに出立することに決める。
それまで二人は牧場内を歩き回っていた。
『ここは牛が多いね』
「当然よ、アメリカだもの」
サラの言葉に笑う。
オーストラリアは人間より羊の方が多いって聞いたけど、流石にアメリカはそこまではないよね。
清香は牧場の隅の草むらに腰を下ろした。
目の前にはワイルドガンマンズが練習をしている。
清香は大きく伸びをする。
「クリフォードに連絡とらなきゃね」
『忘れてた…サラお願いできる?』
サラは清香の言おうとしていたことを理解していたようで、ため息をついて頷いた。
「分かってるわ、行ってくる」
そう言うとポケットから携帯を取り出し、少しその場を離れた。
やはりクリフォードと話すのは気まずいっていうか……。
清香はべーっと軽く舌を出した。
『考えを変えなきゃいけないのは分かってるんだけどなあ』
その言葉は誰にも聞かれることは無かった。
目を閉じ、草むらに寝転がる。
そのときだった。
「危ない!!!」
大きな声、はっと目を開くと目の前にはボールが迫っていた。
顔面キャッチは勘弁だよ!!と咄嗟のことにきつく目を閉じる。
しかしその痛みは来ることがなかった。
「危ないですね、おねーさん」
清香はゆっくりと目を開ける。
そこにいたのは、銀髪の少年だった。
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