3rd down
その日はヒューストンの安いホテルに泊まった。

次の日、サラと清香は海で泳いで遊んだあと、すぐに普段着へ着替える。

ヒッチハイクをするために少しセクシーな格好だ。
(サラはいつもどおりだが)

泥門と西部の皆はとぶろくのデコトラで昨日出立したのを見た。

清香たちとは根本的な目的が違う。

それを理解した上で清香とサラは乗らないことを決めたのだった。

二人が親指を立て、路上で待っているとすぐに車が止まった。

あら、早いわねと笑うサラ。

中に乗っているのは優しそうな老夫婦。

サラと清香はありがたく乗ることにした。


「あなたたちはどこまで行きたいのかしら。私たちこの先の牧場で曲がるからメーンロードから抜けるのだけれど」

二人は顔を見合わせた。

「あら、それなら牧場で下ろしてもらえるかしら。本当にありがとう」

『ありがとうございます』

サラと清香がお礼をいうと老夫婦は笑った。

「いいのさ。君たちの若いパワーを貰えた気がするよ」

「そうよ。珍しくこっちでアジアンとも話せたしね」

そういってウィンクするおばあさん。

本当にこちらの人たちは皆おちゃめだ。

清香は笑顔を見せた。

『私は、日本人なんです。よければ日本にも遊びに来てくださいね』

そういうと老夫婦は驚いた表情をする。

「あら、私たち先日まで日本へ旅行していたのよ」

『そうなんですか!どちらまで?』

「Kobeよ!」

Kobe……神戸か。
兵庫はあまり行ったことがないが、いいところだったんだろうなー。

そんなことを考えながら清香とサラ、そして老夫婦は談笑したのだった。



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