その日はヒューストンの安いホテルに泊まった。
次の日、サラと清香は海で泳いで遊んだあと、すぐに普段着へ着替える。
ヒッチハイクをするために少しセクシーな格好だ。
(サラはいつもどおりだが)
泥門と西部の皆はとぶろくのデコトラで昨日出立したのを見た。
清香たちとは根本的な目的が違う。
それを理解した上で清香とサラは乗らないことを決めたのだった。
二人が親指を立て、路上で待っているとすぐに車が止まった。
あら、早いわねと笑うサラ。
中に乗っているのは優しそうな老夫婦。
サラと清香はありがたく乗ることにした。
「あなたたちはどこまで行きたいのかしら。私たちこの先の牧場で曲がるからメーンロードから抜けるのだけれど」
二人は顔を見合わせた。
「あら、それなら牧場で下ろしてもらえるかしら。本当にありがとう」
『ありがとうございます』
サラと清香がお礼をいうと老夫婦は笑った。
「いいのさ。君たちの若いパワーを貰えた気がするよ」
「そうよ。珍しくこっちでアジアンとも話せたしね」
そういってウィンクするおばあさん。
本当にこちらの人たちは皆おちゃめだ。
清香は笑顔を見せた。
『私は、日本人なんです。よければ日本にも遊びに来てくださいね』
そういうと老夫婦は驚いた表情をする。
「あら、私たち先日まで日本へ旅行していたのよ」
『そうなんですか!どちらまで?』
「Kobeよ!」
Kobe……神戸か。
兵庫はあまり行ったことがないが、いいところだったんだろうなー。
そんなことを考えながら清香とサラ、そして老夫婦は談笑したのだった。
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