21st down
皿洗いが終わり、歯磨きをすます。
清香は自分の部屋に戻り、押し入れの奥から枕と毛布を取り出した。

両手いっぱいにものを抱えると、部屋を出てドアを足で閉める。
そして清十郎の部屋に向かって大声をだした。

『清十郎〜!開けて!!』

頑張れば肘で開けることが出来たのだが、突然入るのは流石に気が引ける。
そう思った清香はドアの前でじっと待った。

すぐにドアが開けられて、目の前に清十郎が現れる。
持っていた一式を清十郎に手渡し清香は清十郎の部屋に入る。

『うわ相変わらず殺風景な部屋』

最初に清香の口をついて出たのはこの一言だった。

「物が多くては鍛練できない」

清香の荷物を自分のベッドの上に一時的に置く清十郎。

『ところでさ。明日から私も王城生だけど、清十郎は同じクラスで仲良い人いるの?』

床に座り、置いてあった5kgのダンベルを弄ぶ清香。

「桜庭とよく昼食を食べる」

10kgのダンベルを人差し指と中指で支える清十郎。

『つまりは春人と同じクラスか』

春人と同じクラスになりたいなぁと呟く清香を見て、清十郎は少し眉を寄せた。

「…そういえば、清香は昔と比べて筋肉の質が変わったようだな。腕と脹ら脛に筋肉が集中しているようだが」

話題を変えた清十郎。

『ある人のテクニックのレクチャーに付き合ってたら、こんな風に筋肉がついたんだよね』

話題転換に首を傾げながらも清香はじぃっと清十郎を見つめながら、その人物のことを考えていた。

清香にとってその人物は今まで会ったことのない雰囲気を持っていた。

清十郎とは違った意味での努力家で、そのことに対して自信を持っていた。

『そいつと清十郎が戦ったらどっちが勝つかな…?』

その人物なら、決まっている、勝つのは俺だ!とか言うんだろうな…。

清香は実際にその台詞をいうその人物を思い出してクスリと笑った。

清十郎と清香はしばらく取り留めのない会話を続けた。

短針が11を回ったところで、清香と清十郎は寝た。


清香はタンスに寄りかかりながら毛布にくるまって…。
清十郎は自分のベッドで…。



__to be continued


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