「キヨカーーーっ!」
後ろから飛びつかれ、前のめりに倒れるのをホーマーが支える。
『さ、サラ…元気そうだね』
「当たり前じゃない!まだまだ跳べるわよ!」
へそを出してスリムなウエストを見せつけるように立ち、サラが笑った。
「おいおいサラ、キヨカ死ぬぞ」
苦しがっている清香を見てホーマーが慌てる。
「あっ、ごめん!でもキヨカなら大丈夫よね!」
『サラ私のこと超人か何かと思ってる?』
清香は息ができることに安堵しながらサラを見た。
「そうだ!キヨカ、テキサスに行くって言ってたでしょ?明日だからね!」
ウインクをするサラ。
『え』
「当たり前じゃない!私と一緒に行くのよ?」
『え、あの、清十郎に怒られるんだけど』
しどろもどろになりながら目をそらす清香。
「私達チアは明日アメリカに帰るのよ。それに一緒に乗るの!」
「ちなみに俺らもその便に乗るからな」
蛭魔がケケケと笑いながらこちらに話しかけてくる。
『あ、はい…。私に拒否権は』
「ないわよ」
『ですよね』
サラと話すといつもコントのようになるから困る。
サラは耳元で囁いてくる。
「クリフォードは7月の終わりにはラスベガスにいるそうよ」
『!…わかった。王城の合宿に間に合うのなら、私行くよ』
ホーマーは支えていた身体を離す。
「クリフォードって…あの」
『ホーマー!それは言わないで!!』
蛭魔に聞かれたら弱みを握られることになる。
清香は必死にホーマーの口を抑える。
「お、おう」
ふうとため息をつくと清香はサラの方を向く。
『サラ、今日私の家に泊まらない?』
「いいわね!」
『それじゃあ私も荷物をとって向かうから、フィールド前のタクシー乗り場で待ってて』
「分かったわ!私も皆に伝えておくわね」
サラが去り、エイリアンズも帰る準備を始める。
それを見て、清香は蛭魔に目配せをした。
蛭魔も分かったようで、頷くと泥門のメンバーと離れたところへ歩き始めた。
prev│next
(17/21)
bkm
back(表紙へ戻ります)
top
※章内ページ一覧へは
ブラウザバックでお戻りください