12th down
ヒル魔のキックにより試合が開始される。

すぐに止めることが出来、エイリアンズの攻撃に入る。

ホーマーのロングパスを止めなければ、泥門に勝ち目はない。

『私の言ったプリッツ…じゃなくてブリッツが役立つかな』

清香の言ったとおりアイシールド21は早速ブリッツを繰り出してくる。

しかしラインの力が違いすぎた。

かなり脂肪の多い栗田と違い、エイリアンズのラインマン達は筋肉質である。

はね飛ばされるのだ。

「重さだけじゃない。あまりに強靭な上半身、これがアメリカ人の体格です!」

熊袋の解説に頷きながらコーラに口をつける。

アメリカにいたせいか、コーラはかなり好きな飲み物のうちの一つだ。

十分な時間が稼がれた後、ホーマーがシャトルパスを投げる。

筋肉のあるホーマーならではの高層長距離パス。

スペースシャトルに例えられるのも頷ける。

しかしホーマーのパスに正確性はあまりない。

パスはワットに届かず、パス失敗となった。

ラインのパワーが勝っている以上、ホーマーとワットのシャトルパスは何度でもチャンスがある。

やはり鍵となるのはアイシールド21、セナのブリッツだ。

次のプレーでは三人が動いた。

いつものラインマン4人の他にラインバッカーも動いたのだ。

『懐かしいなー!3人ブリッツなんてアメリカぶりに見たかも!』

泥門7人対エイリアンズ6人。
後ろから突撃するブリッツのパワーも加われば押し負けるのはエイリアンズ。

案の定、右DEの小結が抜けてホーマーにたどり着いた。

『でも、そんなんじゃだめなんだよねー』

小結のタックルではホーマーは潰れなかった。

そのままの体勢で投げたボールはそのままワットの腕の中へ。

「タッチダウン!!」

審判の声と熊袋とマシンガン真田の声がフィールドに響いた。


ここから小結だけでなく十文字もホーマーにタックルするが、それでは通じない。

『やっぱり勝てないのかな』

フィールド上の蛭魔を見る。

こちらを一瞬振り返ったようにも見えたが、すぐにフィールドに目を戻した。

次のプレーはアイシールド21の高速ブリッツ。

ここでホーマーの欠点が出た。

『ホーマー早く投げないと、セナが来ちゃうよ』

ホーマーの欠点は慢心。

ラインであるゴンザレスがブロックをした。
そして自分の力ではアイシールド21なんかにタックルされてもぐらつくはずがない。

この2点がホーマーの自信だった。


一瞬だった。


ホーマーの腕に一瞬で絡みつくセナ。

『よし!!』

発射口を潰されたシャトルは打ち上がることは出来ない。

ボールはホーマーの腕から転がり落ち、それをセナがリカバーした。

ターンオーバー(攻守交代)だ。


アイシールド21は超人的なカットでどんどん曲がってゆく。

そして独走。

タッチダウンだ。

電話がなる。

番号は伊知郎のもの。

“もしもし、清香か。やったな、アイシールド21”

『伊知郎やったね!セ…じゃなくてアイシールド21はやっぱり速いね!』

“進も燃えているようだよ”

『そっか!でもね、清十郎に言っといて。ここからが本番だよ、ってね』

そういって電話を切る。

そう、まだパンサーが出ていないのだ。

パンサーのことを知っているセナはおそらくパンサーを試合に出したいはずだ。

『妖一は出て欲しくなさそうだけどね』

苦笑する清香。


ここからどんどんと泥門ペースになってゆく。

ブリッツの数によりプレーも様々に変わるのだ。

それにすぐ対応する力がなければいけないが、アポロは暗号がわからないようだ。


前半が終了する。



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DE…ディフェンスエンド


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