黙々と食べ続ける清香と清十郎。
「お腹すいてたのね」
母さんはその様子を眺めながら2人を見て呟く。
深皿に盛られていた肉じゃががあっという間になくなっていく。
『当たり前でしょ。成長期なんだからさ。私と清十郎は』
牛乳をコップに注ぎ足しながら母さんに言う清香。
「ところで話したいことって何だったのよ」
母さんは清香から紙パックを受け取りながら言った。
清十郎の眉がピクリと動く。
『ああそうだね。話そっかな』
ごちそうさまと言い、箸を置く清香。
清十郎は肉じゃがの残りを平らげている。
『私アメフトはもうやらないんだ』
「え?」
「!?……ごほっ!」
母さんが唖然とする。
清十郎は食べ物喉に詰まったようで、むせている。
「な、なんで!?せっかく王城に入学するのに…。せっかくアメリカであなたが熱中できるスポーツを見つけたのに!」
『…うーん。まず一つ言えるのは、私が女だからだよ』
「でも、それでもこれまで続けてきたじゃないの!!」
顔を天井に向けて淡々と話す清香に対して身を乗り出しながら話す母さん。
『じゃあ清十郎に聞くけど…さ。私がもし清十郎のポジションで戦ったら次の試合は勝てると思う?』
清十郎は清香の質問に対して目を見開いた。
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