『いつか決まったんだね!』
蛭魔はパソコンをかたかたと打ちながら、7月20日と呟いた。
「場所は地久グラウンド。ナイター中継されるらしいわ!」
横に座っていたまもりが付け加える。
ふーんと清香はコーヒーをすする。
砂糖とミルクいらない?と言われ、即断る。
『よくアポロさんが了承したね』
「これを送りつけた」
そういって蛭魔がこちらにパソコンを向ける。
そこで流れる動画を見て清香はコーヒーをふき出した。
『こ、これ…本当に送ったの!?』
「ああ。良くできてるだろ」
『こりゃアポロさん怒るよ…』
蛭魔はパソコンを別の動画に切り替える。
「エイリアンズ戦まで一ヶ月、守備のイロハからたたき込んでやる!」
「敵は本場の強豪だからね。今まで通りじゃ絶対勝てないもん」
蛭魔は清香の頭をぽんと叩く。
「だから臨時コーチとしてコイツを呼んだ」
『本当は別の理由で来たんだけどね』
蛭魔は清香にプリッツの箱を放り投げる。
清香はため息をついた。
『そういうことね…ダジャレ?』
うるせえ、と銃口を突きつける蛭魔。
「コイツはアメリカ帰りだから、NASAエイリアンズとも戦ったことがある」
『ち、ちょっと!』
「情報を絞り出せるだけ絞ってやる」
清香は蛭魔をど突く。
「(蛭魔さんを…!)」
とセナとモン太が震えあがっていたことを清香は知らない。
『エイリアンズとは嫌な思い出しかないんだけどな』
「拒否しねえってことは、多少手伝う気あるんだろ」
『まあね』
そのかわり…
清香は笑う。
『当日券の一番前キープしてね』
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(18/23)
bkm
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