24th down

次の日、清香はジョンにその旨を伝えた。

サラからもお願いしておらったおかげか、すぐに受け入れられる。

「クリフォードのモテ具合は異常だからな」

ジョンは苦笑いでサラと清香に返す。

「そうね。テクニックとルックスかしら」

「俺もなかなかイケてると思うんだがな」

ジョークで返答するジョン。

清香は少し笑った。

真剣なんだがなと首を傾げながら、ジョンはコーチに報告に行った。


そこへ近づいてくる大和。

「さっきの話、なんだったんだ?」

『クリフォードっていう選手のことだよ。私をアメフトに誘ってくれた人なんだ』

清香はプロテクターをつける大和に答えた。

そういえば大和にはクリフォードの話をあまりしたことがなかったっけ。

「そのファンからキヨカが嫌われているっていう話よ」

サラはため息をつく。

『クリフォードの牽制でなんとか手は出されてないんだけどね』

清香は笑った。
笑い事じゃないのよ、と肘でつつかれる。

「もしものことがあったら、タケル…頼んだわよ」

「ああ。俺が清香を守るよ」

『大げさだなあ』

大和の真剣な表情に少し慌てる清香。

『もうクリフォードとはあまり関わらないようにするからさ』

「それでも心配よ」

サラは清香の手を握る。

「出来るだけ一人にならないようにね」

『分かってるよ』


ジョンが戻ってくる。
どうやらコーチからは承諾を得たようだ。

「明日から練習に参加してくれ。そのかわり、無理は禁物だ」

長身のジョンは清香の頭に手を乗せ、笑いかける。

清香は決して低くはないのだが、ジョンと大和に挟まれることで低さが際だっている。

「ジョンはキヨカの兄みたいね」

『サラがお姉ちゃんでジョンがお兄ちゃんか!兄弟いっぱいだね』

軽く冗談を言うことでその場が笑いに包まれる。


清香は明日からの練習を楽しみにしながら、その日の部活を終えた。


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