次の日、清香はジョンにその旨を伝えた。
サラからもお願いしておらったおかげか、すぐに受け入れられる。
「クリフォードのモテ具合は異常だからな」
ジョンは苦笑いでサラと清香に返す。
「そうね。テクニックとルックスかしら」
「俺もなかなかイケてると思うんだがな」
ジョークで返答するジョン。
清香は少し笑った。
真剣なんだがなと首を傾げながら、ジョンはコーチに報告に行った。
そこへ近づいてくる大和。
「さっきの話、なんだったんだ?」
『クリフォードっていう選手のことだよ。私をアメフトに誘ってくれた人なんだ』
清香はプロテクターをつける大和に答えた。
そういえば大和にはクリフォードの話をあまりしたことがなかったっけ。
「そのファンからキヨカが嫌われているっていう話よ」
サラはため息をつく。
『クリフォードの牽制でなんとか手は出されてないんだけどね』
清香は笑った。
笑い事じゃないのよ、と肘でつつかれる。
「もしものことがあったら、タケル…頼んだわよ」
「ああ。俺が清香を守るよ」
『大げさだなあ』
大和の真剣な表情に少し慌てる清香。
『もうクリフォードとはあまり関わらないようにするからさ』
「それでも心配よ」
サラは清香の手を握る。
「出来るだけ一人にならないようにね」
『分かってるよ』
ジョンが戻ってくる。
どうやらコーチからは承諾を得たようだ。
「明日から練習に参加してくれ。そのかわり、無理は禁物だ」
長身のジョンは清香の頭に手を乗せ、笑いかける。
清香は決して低くはないのだが、ジョンと大和に挟まれることで低さが際だっている。
「ジョンはキヨカの兄みたいね」
『サラがお姉ちゃんでジョンがお兄ちゃんか!兄弟いっぱいだね』
軽く冗談を言うことでその場が笑いに包まれる。
清香は明日からの練習を楽しみにしながら、その日の部活を終えた。
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