16th down
『あの二人には出来れば言わないでほしいな』

阿含は清香を見下すようにみると、悪態をついた。
「けっ…分かったよ」

清香はありがとうと呟き、フワリと笑った。

クシャリと清香の頭を撫でるように頭に手を乗せる阿含。

清香はそれじゃ、と言いスーパーを出て行った。




---進家

『ただいまー』

家に帰ってくるのは久々のことだった。

もちろん転校することを親に伝えはしていたものの電話でだった。


リビングからおかえりーという母親の明るい声が帰ってくる。
「あら。清十郎は一緒じゃないの?」

『王城から走って帰るんだって』
清香は靴を脱ぎながら言う。
そして、はいお土産〜といってスーパーの袋を手渡す。

母さんは袋の中を覗き苦笑いする。
「はいはい」

『先にシャワー浴びるね。清十郎が帰ってきてたくさん話したいことあるし!』

「ええ分かったわ。あ、部屋だけどまだ片付けてないのよね」

清香の部屋は2階の奥の部屋。
清十郎の隣の部屋だが、清香が家にいない間、物置と化していた。

『え〜。じゃあどこで寝れば良い?私はリビングのソファでも良いけど』
「清十郎と寝なさいよ」

母さんの口から衝撃的な一言が飛び出した。
何コレ兄弟愛なんて芽生えたくないし、と内心毒づく清香。

『前は寝てたけどさ。今高校生だよ?それは色々と駄目だよ』
「良いわよ。清十郎の性格上変なことはないから」

母親としてそんな風に息子を見て良いのかとも思うが、清香はついに折れた。

『分かったよ…。でも清十郎が許可してくれたらね』

清香は荷物を物置…自分の部屋に運び、着替えをもってシャワーを浴びに行った。


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bkm



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