21st down
昼ご飯を食べながら、清香達はおしゃべりをしていた。

清香がサラの妹のようだ、という話題から兄弟の話になる。

まずはサラが話した。

「私、実は妹なの。少し年が離れた兄がいるのよ」

『お兄さんはアメフトしてるの?』

「ええ。今はテキサスの大学でアメフトをやってるわ。将来はプロになりたいんですって」

清香はハンバーガーにかじりつきながら相づちを打つ。


「俺は弟が一人いるよ」

「ちょっと分かるかも。タケルは雰囲気が兄っぽいわ」

ジュースをすすりながら大和は笑った。

「さて」

「そうね」

清香は二人の雰囲気を不思議に思う。

二人が一斉に清香の方を見る。

「「あなた(君)は?」」

清香はハンバーガーを取り落としそうになる。


はっきりいって言いたくなかった。

それは昔から無意識のうちに感じていた弟との劣等感のせい。

その弟から逃げてやってきたのだ。

『えーっと…』

「言いたくないのかい?」

清香の雰囲気にサラと大和は顔を見合わせた。

「無理しなくてもいいわよ」

「そうそう。別に絶対言わなきゃってわけでもないし」

二人のフォローが逆に辛く感じる。

清香は口を開いた。


『弟、双子の弟が、いる』

サラはとても興味ありげな様子で清香にあれこれと質問を始める。

清香は苦笑いでサラを受け流す。

大和は清香の様子を見て、何かを感じ取ったのか、なにも言わずに黙っていた。



食事が終わり、サラはチアのミーティングがあるといって清香達と別行動をとることになる。

清香と大和は寮へと戻った。

休暇のため帰省している選手が多いので、練習は全く行われないのだ。


清香が自分の寮の前で止まり、入ろうとすると大和が声をかける。

「今から俺の部屋に来ないか」




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bkm



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