バッドと連絡先を交換し、会場を後にする。
「またカリフォルニアに寄ったら声かけてくれよな。俺今ハリウッドのアクターズスクールにも通ってるから、次会えるのは劇場でかもな!」
パチリとウインクするバッド。
それを見て清香は納得する。
この煌びやかな雰囲気はそのためか。
不機嫌になりかけているクリフォードを見てバッドはじゃあな!と行って去っていった。
飛行機は片道半日以上かかるので、夜の便でインディアナ州へと帰る予定だ。
クリフォードは空港まで送ってくれた。
清香は時計を確認する。
飛行機は20時発だ。
『ありがとうねクリフォード。とっても楽しかったよ』
「ああ。また来いよ」
『今度はクリフォードが来てよ!大和にも会って欲しいし』
クリフォードは少し顔をしかめるが、ああと呟く。
搭乗30分前になり、清香は搭乗口へ急ぐ。
清香は最後にクリフォードに大きく手を振った。
クリフォードは軽く振りかえす。
それを確認した清香は満足そうな笑みで飛行機へと乗り込んでいった。
「…キスしときゃよかったか」
クリフォードの呟きは誰にも知られることはなかった。
長い飛行機での旅が終わり、清香は足を軽く捻ったりと動かしながら飛行機を下りた。
ノートルダム大はインディアナ州の郊外にあるので、ここからバスの乗り継ぎだ。
ここは何度が来たことがあり慣れているといってもここから3時間はバスに揺られることとなる。
ため息を吐きながらも、早く旅の内容を誰かに話したくて仕方のなかった清香は走ってバスへと乗り込んだ。
『つ、ついた…!』
ノートルダム大に着き、急いで寮へと戻る。
時間は正午。
ご飯を食べる暇がなかったので、お腹はぺこぺこだ。
恐らく寮の食堂は人が多いだろう。
清香はひとまず荷物を置きにサラとの共同部屋へ急いだ。
『ただいまー』
ドアを開けると勢いよく飛びついてくるサラ。
清香が支えきれずに後ろへ倒れそうになるのを、部屋の中にいたのか、大和が支える。
「おかえり!予定通りにいったの?」
『うん。楽しかったよ!』
「おかえり。清香が帰ってくるのをサラと待っていたんだ」
笑うサラと爽やかな笑みを浮かべる大和。
「そうそう!ご飯まだよね?今から行きましょう」
「俺もサラもずっと待ってたからね」
荷物をベッドの上へ運ぶサラ。
その瞬間清香のお腹が大きくなり、三人は声を揃えて笑った。
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