バッドと呼ばれた青年が清香の横の席に座る。
そして清香を見て驚いた。
「クリフォードが女連れてきてやがる!?」
「おい、それどういうことだ」
バッドは清香をじろじろと眺める。
「アジア系だな。クリフォードの彼女か?」
『えと…日本です。クリフォードは友達です』
アメリカに来て初めて気づいたが、どうやら欧米系の人はアジア系の見分けがつかないらしい。
バッドはおお!と清香の手を握る。
「俺はクリフォードの親友、バッド・ウォーカーだ。よろしくな」
清香はクリフォードを見る。
顔をしかめているその様子からはとても親友のようには思えない。
「誰が親友だ」
案の定突っかかるクリフォード。
「いいじゃんかよ。何度か戦ったし」
『あの、バッドさんのポジションはどこですか?』
険悪なムードを断ち切ろうと話題を逸らそうとする清香。
しかしバッドに話しかけたことで逆効果になったようだった。
「キヨカ、こんなやつに話しかけることはない」
酷いなーと笑うバッド。
クリフォードのこの態度には慣れているようだ。
「キヨカっていうんだな!あ、丁寧な言葉遣いはノーセンキューな。俺のことも呼び捨てで頼むぜ」
ウインクするバッド。
その流れるような動作に清香は驚く。
「俺のポジションはCB(コーナーバック)。パスをインターセプトするのはかなり目立つだろ?」
清香は苦笑いをする。
『確かに、目立ちはする…かな?』
ますます不機嫌になるクリフォード。
「お前ら試合見ろよ」
「なんだよクリフォード、妬けてんのか?」
「っるせえ!」
早口で繰り広げられる会話。
清香はついていけずに終始おどおどとしていた。
CB(コーナーバック)
ディフェンシブバックのひとつ
普通は両サイドに一人ずつセットする
主にパスを防ぐためのポジション
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bkm
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