18th down
バッドと呼ばれた青年が清香の横の席に座る。

そして清香を見て驚いた。


「クリフォードが女連れてきてやがる!?」

「おい、それどういうことだ」

バッドは清香をじろじろと眺める。

「アジア系だな。クリフォードの彼女か?」

『えと…日本です。クリフォードは友達です』

アメリカに来て初めて気づいたが、どうやら欧米系の人はアジア系の見分けがつかないらしい。

バッドはおお!と清香の手を握る。

「俺はクリフォードの親友、バッド・ウォーカーだ。よろしくな」

清香はクリフォードを見る。

顔をしかめているその様子からはとても親友のようには思えない。

「誰が親友だ」

案の定突っかかるクリフォード。

「いいじゃんかよ。何度か戦ったし」

『あの、バッドさんのポジションはどこですか?』

険悪なムードを断ち切ろうと話題を逸らそうとする清香。

しかしバッドに話しかけたことで逆効果になったようだった。

「キヨカ、こんなやつに話しかけることはない」

酷いなーと笑うバッド。
クリフォードのこの態度には慣れているようだ。

「キヨカっていうんだな!あ、丁寧な言葉遣いはノーセンキューな。俺のことも呼び捨てで頼むぜ」

ウインクするバッド。
その流れるような動作に清香は驚く。

「俺のポジションはCB(コーナーバック)。パスをインターセプトするのはかなり目立つだろ?」

清香は苦笑いをする。

『確かに、目立ちはする…かな?』

ますます不機嫌になるクリフォード。

「お前ら試合見ろよ」

「なんだよクリフォード、妬けてんのか?」

「っるせえ!」

早口で繰り広げられる会話。
清香はついていけずに終始おどおどとしていた。





CB(コーナーバック)
ディフェンシブバックのひとつ
普通は両サイドに一人ずつセットする
主にパスを防ぐためのポジション



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bkm



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