15th down
逃げていった女性店員を横目で眺めながら、清香は阿含に言った。

『……うーん。まぁついでだから言うけどさ。名字は進藤って名乗ってたけど、本当は進だから』

いぇいと無表情でピースを作り阿含の目の前に突きつける清香。
阿含のこめかみに青筋が走った。

「去年の王城との試合でてめぇがサボりやがった理由はそれか」
『勘良いね。さっすが』

ちっ…と露骨に舌打ちをする阿含。

「まさか進も双子だったとはな。ということはてめぇと俺は同類ってことか」
『へ?同類??』

あぁ!?と見下ろす阿含。

「てめぇの兄が進なら俺の兄はカス雲水ちゃんだってことだ。てめぇは妹だろうが」

清香は急に阿含を殴りたい衝動に駆られた。

『私は双子の姉なんだけど』

阿含は黙った。
そして爆笑し出す。

「て、てめぇが…進の、姉!?ククッ…弟の方が姉よりよっぽどしっかりしてんじゃねえか!!」


本当に殴り倒してやりたい。


心からそう思った清香だった。


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