6th down

花梨が去ってすぐにスカウトマン達が戻ってきた。

「お待たせしました!アメフト部キャプテン直々に案内してくれるそうですよ」

メガネのスカウトマンが嬉しそうに言った。

清香は顔が引きつる。

おかしいでしょ、朝練にはキャプテンが必要じゃないの!?
しかも直々に案内って…!

今更断ることも出来ず、清香は苦笑いを浮かべた。


アメフト部の部室の近くの銅像の近くでそのキャプテンを待つ。

スカウトマンは早々にどこかへ行ってしまった。

まあそのほうがありがたいのだが。


清香は銅像を見た。

『これ…ノートルダムにもあったよね』

アメフト創設者WalterCampの銅像。
アメフトの名門校ならあってもおかしくない。

どどどという音が聞こえ、驚いて振り向くとそこには…。


「ツアーガイドの平良呉二です!あだ名はヘラクレスって言いますう、ヘラちゃんって呼んでな……ってそんなごついガイドおらんわー!!」


清香は口をぽかんとあけその様子を他人事のように眺めた。

「……」

『……』

「なんか反応してくれんとこっちが困るわ!!」

『え!?あ!すいません!ヘラちゃんですね!よろしくお願いします』

平良呉二つまりはヘラちゃん(?)は清香の言葉を聞くや否や笑い出す。

「あんたすごいボケ殺しやな!それ天然なんか?」

『天然?私の産地?養殖ではないですけど…』

ヘラクレスは腹を抱えて笑う。

「あんた……最高や…!!是非我がアメフト部に…!」

『…あー、私お笑いあまり分からなくて。ところで案内していただけますか?』

悶絶するヘラクレスを少し冷ややかな目で見つめながら清香は言った。

昔から姉弟揃ってお笑いというものがあまり理解できなかったのだ。


『えっと…ヘラちゃん?』


ヘラクレスは堰を切ったようにまた笑い出した。


prevnext

(6/23)

bkm



back(表紙へ戻ります)
top

※章内ページ一覧へは
ブラウザバックでお戻りください
×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -