20th down
王城側側へ戻った清香。

清十郎が少し不機嫌そうなのを嫌々ながら確認すると、ゆっくりと近づいた。

『無事解決しましたー』

「そうか」

少しおちゃらけたが、それも意味をなさずに清十郎に一蹴される。

そんなに怒らないでほしいと思いながら、清香は横目で清十郎を見た。

「秋季関東大会では必ず神龍寺に勝つ」

突然発せられた言葉。
清香は驚いて清十郎を覗き込む。

こりゃ、なにかあったな。

清香は考えた。

一休と自分が話をしている間に誰かが何かを言ったのだろうか。

もしかして、と思い虎吉と話している桜庭をの方を振り向いた。

そして確信した。


『春人はなんて?』

「桜庭は関東最強と当たったことで、いい刺激を受けたようだ」

清香は嬉しそうに目を細めた。

『監督の予想以上ってとこかな』

清十郎は全てを察したような表情で桜庭を見た。

「これから、だな」

『うん、忙しくなるね。巨大弓を完成させなきゃ』


二人は黙り込む。

その沈黙に清十郎の名前に対する信頼が含まれていたようで、清香は目尻を下げた。



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(20/21)

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