18th down
阿含から逃げようと急いで踵を返す清香。

そのときだった。

虎吉の罵声が清香の耳に入った。

慌てて虎吉の方に目を向ける。

横には宥めようとする桜庭。

清香は嫌な予感がして虎吉の方、つまりは王城側へと走りはじめた。

ボッと何が飛び出す音と共に、清香の真横を流線型のなにかが通り過ぎる。

後ろを振り向いた。


冷たい目をした阿含。
それを意に介さず見ている一休。


清香は二人を睨んだ。

それを見て満足そうに笑った阿含はそのままフィールドから姿を消した。

その場に残る一休。

清香はちらりと王城側を見た。

流線型のなにか…つまりアメフトボールは桜庭とモン太によって止められていた。


やっぱり虎吉を狙ったんだ。


清香は身震いをする。


もし当たっていたら…。


「ねえ、清香」


年の割にまだ幼さが残るような、しかししっかりとした意志を持つ声が聞こえてきた。


「あいつら、誰?」


清香は視線を王城側に向けたまま呟いた。


『王城のレシーバーと泥門のレシーバー』


言い終わると清香は視線をその人物に向けた。


『やっと話してくれたね』


自分に対してではなく、あくまでも一レシーバーとして、というところが少し残念だが。


『一休』


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bkm



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