6th down
アナウンスが風に乗って聞こえてくる。

その方向を頼りに清香は歩き出した。


『まあ最悪、小春に来て貰えばいいかな』

楽観視する清香。

橋の終わりに差し掛かると、向こうの方からセナとまもりが来るのが見える。

どうしたんだろう。

そう思って二人が近づいてくるのを待った。

「あら清香ちゃん、どうしたの?もう試合始まっちゃうわよ」

まもりが慌てて清香に尋ねる。
その横でセナも頷いている。

『それが…迷いまして』

「まっすぐ行くだけなのに!?」

セナは思わず清香に突っ込む。

「(この人どこか抜けてるなあ…)」

そんなことをセナが考えていたなんて清香は知るはずもなく。


まもりに行き先を教えてもらった清香。
とにかくまっすぐ行けば着くらしい。

『ところで二人はどうしてこんなとこに?』

感謝の言葉をまもりに言い終えた後、尋ねる清香。

セナは目をそらした。

何か理由があるのだろうか。

「セナがね、生徒手帳無くしたらしいから探すの手伝ってあげるのよ」

「そそそそうね」

探す気満々のまもりに対して、消極的なセナ。

清香はセナの正体に関わりがあるのかと訝しんだ。

「清香ちゃんは見た?」

『うーん…あまり下の方は見てなかったかも。ごめんね』

謝らないでよ!と笑って返すまもり。

セナとまもりに手を振りながら清香はフットボールフィールドへと再度歩き始めた。


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bkm



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