3rd down
試合当日…

朝、弟である清十郎とは違う場所へと向かう清香。

行き先は砂漠グラウンドだ。


清香は泥門vs.太陽戦を見に来ていた。


途中道が分からなくなったこともあり、余裕をもって家を出たにもかかわらず試合は後半へ入っていた。


『嘘でしょ…!なんで泥門戦に限ってこんなに見逃すの!?』


点数は12対13で泥門が1点ビハインド。
かなりの接戦だ。

太陽は強豪校なのに…あの超重量級ラインと互角にやりあうなんて。


『泥門、成長早いな』



太陽のコーナーバックはバンプを使ってマッチアップしている泥門の選手を防いでいる。



試合を見る限り、後衛は五分。
前衛は明らかに泥門が不利。

少しでも対することの出来る後衛が頑張らなければ勝ち目なんてない。


太陽のパスが通り、タッチダウン。

点差はさらに7点開いた。


このまま最終クォーターに続く。

泥門のベンチにはこの間見たマネージャーがいる。

『それにしても暑いな…』

遠くの観客席でも団扇や扇子で扇いでいる。


残り時間がどんどん減っていく。

有効なパスがバンプによってことごとく防がれるのだ。


再度バンプによって崩される選手。


『そっか…あのときの少年…』


清香はキミドリスポーツでのひったくりを思い出す。

あのとき清香が自転車の後ろに乗せたのがこの少年だ。


『名前聞けば良かったな』


バンプによってゴロゴロと転がる少年。

しかし少年は立ち直り、太陽の98番を振り切ってタッチダウンパスを取る。


『すごい…』


砂煙から出てきたのは左手にしっかりとボールを握った少年の姿。


春人と戦うならあの少年だね。


何度か考えたことをもう一度繰り返す。


相手のQBも驚いている。



残り時間は35秒で太陽が2点リード。

これで泥門が終わるとは思えないが、おそらくボーナスゲームで同点狙い。

しかし太陽の超重量級ラインを止めるのは今の王城でも難しい。


今の泥門と太陽では体格が違いすぎるのだ。


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bkm



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