『大和、紹介するね。私のルームメイトのサラだよ』
部活以外の日常生活もほとんど一緒にいることになった大和。
二人きりの時以外は完全に英語だ。
まだ完全に打ち解けてはいないが、同じ日本人というだけでかなり話しやすい存在ではあった。
「えっと…よろしく頼むよ」
「あら、アメフト留学生ね!へえ…なかなか格好良いじゃない。体格も選手としては十分すぎるほどね」
『サラ、狙わないでよね?』
冗談を言ってその場を和ませる清香。
大和の反応を見て逆効果だったと気づく。
「サ、サラは俺を……?」
『大和!冗談だからね!!本気にしないで!アメリカンジョークだよ!』
まだこういう会話に慣れていないのだろう。
顔を赤くする大和を見てサラは笑った。
「なんだか、アメリカに来たばかりのキヨカみたいね。あの頃はまだこういう会話なんて全く出来なかったのに」
『そうだね』
「アメリカに来たばかりの清香…か。その話聞きたいな」
「あら?キヨカに気があるのかしら?良いわよ聞かせてあげる。寮が同じなんだから今夜話しましょ」
清香の預かり知らぬところで進行している話を慌てて止めようとするが、すっかりやる気満々のサラを止めることなど出来ないことを清香は十分分かっていた。
『はあ…もう』
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