庄司はドアを開いた高見と目配せし、再度清香に話しかけた。
「さあ行くぞ。」
『はい!』
ドアを開き、中から出てくる庄司と清香。
清香はドアのすぐ近くにいた高見のそばに寄った。
『うわ。なんか増えてない?』
まだ集合がかかっていないので皆ばらけてはいるが、明らかに先程より増えている。
「皆トレーニングルームにいたんだ。基本ここはミーティングルームだからな」
「集合っ!!!」
庄司の怒鳴り声がミーティングルームに轟いた。
はっきりいって無駄に声がでかい。
清香は顔をしかめた。
ドドドという響きと共に選手たちが集まってくる。
「紹介しよう。進清香だ。今週から王城に入学する」
集まった皆の前で、急に前置きなしに紹介された清香は戸惑う。
『え。あ、進清香です。皆よろしくお願いします』
戸惑ったのは清香だけではなかったようで、選手たちは呆気にとられていた。
「………し、しん…?」
誰かの呟きが後ろから聞こえた。
清香が見ると金髪で前髪がハネている長身の青年。
『…伊知郎、誰?』
伊知郎と同じくらい高いなぁ、と感心して青年を眺める清香。
「桜庭春人。ポジションはWRだ」
『はると…ね。私の名字に何かおかしなところがあるの?桜庭君』
清香は少し考えた後、そう問いかけた。
「しん、って…」
桜庭は自分の隣にいた清十郎を見た。
「…桜庭。清香は俺の双子の姉だ」
『そうそう。私、清十郎の双子の姉だから。そこんとこよろしくね。桜庭君』
ホワイトナイツ全選手の叫びがミーティングルームに響き渡った。
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