9th down
庄司はドアを開いた高見と目配せし、再度清香に話しかけた。

「さあ行くぞ。」
『はい!』



ドアを開き、中から出てくる庄司と清香。
清香はドアのすぐ近くにいた高見のそばに寄った。

『うわ。なんか増えてない?』

まだ集合がかかっていないので皆ばらけてはいるが、明らかに先程より増えている。

「皆トレーニングルームにいたんだ。基本ここはミーティングルームだからな」


「集合っ!!!」


庄司の怒鳴り声がミーティングルームに轟いた。
はっきりいって無駄に声がでかい。
清香は顔をしかめた。

ドドドという響きと共に選手たちが集まってくる。

「紹介しよう。進清香だ。今週から王城に入学する」

集まった皆の前で、急に前置きなしに紹介された清香は戸惑う。

『え。あ、進清香です。皆よろしくお願いします』

戸惑ったのは清香だけではなかったようで、選手たちは呆気にとられていた。

「………し、しん…?」

誰かの呟きが後ろから聞こえた。

清香が見ると金髪で前髪がハネている長身の青年。

『…伊知郎、誰?』
伊知郎と同じくらい高いなぁ、と感心して青年を眺める清香。

「桜庭春人。ポジションはWRだ」

『はると…ね。私の名字に何かおかしなところがあるの?桜庭君』
清香は少し考えた後、そう問いかけた。

「しん、って…」
桜庭は自分の隣にいた清十郎を見た。

「…桜庭。清香は俺の双子の姉だ」

『そうそう。私、清十郎の双子の姉だから。そこんとこよろしくね。桜庭君』


ホワイトナイツ全選手の叫びがミーティングルームに響き渡った。


prevnext

(9/21)

bkm



back(表紙へ戻ります)
top

※章内ページ一覧へは
ブラウザバックでお戻りください
×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -