第二クォーターが終了し、小春とともにドリンクとタオルを配る清香。
すぐにミーティングが始まる。
「何をやっとる!西部は超攻撃型チームだ。我々の防御力ならもっと抑えられるはずだろうが!!」
キーンとする耳を押さえながら清香は考えた。
西部が超攻撃型チームである理由は恐らく、決してレールをはずれることがない鉄馬くんがいるため。
そしてなによりそのレール上に向かって正確に投げるキッドがいる。
その二人のどちらかを止めない限り、王城に勝ち目はないだろう。
そのとき、清香のジャージのポケットの中の携帯が震える。
急いで開くと雲水からのメールだった。
『…やっぱり』
内容は簡単なもので、清香の予想していたものだった。
『たった今、神龍寺が神奈川県大会の優勝を決めました』
庄司は黙って頷いた。
ミーティングが終わり、選手たちは各々違う行動をとる。
『どうしよう…どっちを止めればいいんだろう』
キッドか鉄馬。
どちらも清十郎では止められない。
いや、大田原さんに頼めば…?
それも駄目だ。
鉄馬くんは足が速い。
大田原さんでは追いつけない。
万事休すだった。
万策尽きたとはこのことなのか。
そのときだった。
「なにやってやがる」
聞き覚えのある声が清香の耳に飛び込んできた。
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