7th down
第二クォーターが終了し、小春とともにドリンクとタオルを配る清香。

すぐにミーティングが始まる。

「何をやっとる!西部は超攻撃型チームだ。我々の防御力ならもっと抑えられるはずだろうが!!」

キーンとする耳を押さえながら清香は考えた。


西部が超攻撃型チームである理由は恐らく、決してレールをはずれることがない鉄馬くんがいるため。

そしてなによりそのレール上に向かって正確に投げるキッドがいる。

その二人のどちらかを止めない限り、王城に勝ち目はないだろう。


そのとき、清香のジャージのポケットの中の携帯が震える。

急いで開くと雲水からのメールだった。

『…やっぱり』

内容は簡単なもので、清香の予想していたものだった。

『たった今、神龍寺が神奈川県大会の優勝を決めました』

庄司は黙って頷いた。


ミーティングが終わり、選手たちは各々違う行動をとる。

『どうしよう…どっちを止めればいいんだろう』

キッドか鉄馬。


どちらも清十郎では止められない。
いや、大田原さんに頼めば…?

それも駄目だ。
鉄馬くんは足が速い。
大田原さんでは追いつけない。


万事休すだった。

万策尽きたとはこのことなのか。


そのときだった。


「なにやってやがる」


聞き覚えのある声が清香の耳に飛び込んできた。


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(7/21)

bkm



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