次の日、グラウンドに集合した清香達は、庄司の元ミーティングを始める。
「今日は西部との決勝戦!関東大会に進むかどうかが決まるとても重要な試合だ!心してかかれ」
庄司に促され一歩前に出る清香。
『西部の戦法は皆が知っているとおり、レシーバーを数多く配置する、完全にパス重視のショットガンです』
清香はあらかじめ調べておいた西部の僅かなデータをみる。
『もちろんすべてのパス要員を潰すことが確実なんだけど、それは難しい。だから清十郎のスピードを生かしてパスの発射口、キッドを潰す』
あくまでもキッドの早撃ちが0.5秒か0.4秒と見込んでの作戦だ。
キッドの早撃ちがそれ以上に早ければ、王城には止められない。
清香は歯がゆかった。
データが少なすぎる。
ミーティングが終わったあと、王城恒例の栄養補給時間になる。
大田原はガツガツと食べまくっている。
清香は小春の元へ近づいた。
『今日、勝つと思う?』
「え、ええ!もちろんですよ!」
『そっか…そうだよね!』
清香の中には不安があった。
昨日このグラウンドで会話したキッドの様子が思い浮かぶ。
清香はそれを振り払うように自分の頬をパシンと叩いた。
『私達が信じなきゃ誰が信じるのって感じだよね!ごめんね、変なこと聞いて』
小春はにっこり笑ってドリンクの準備を再開する。
清香もそれを手伝いに裏へと回った。
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