「…でこれなんだが」
清香は顧問室で庄司と入学案内の資料を見ていた。
『ああ。部活については説明はいらないですよ。もう決まってますし』
清香の心は決まっていた。
清十郎を見て、高見に会って、庄司と話してその気持ちは確実なものとなった。
『私は王城ホワイトナイツに入ります』
泥門を見に行った。
西部も巨深も、清香にとって惹かれるものがないわけではない。
『やっと並べるかもしれない』
あの天才の弟と。
「……そうか。分かった。ならあの二人が帰ってきたらお前を皆に紹介しよう」
ありがとうございます、と頭を下げる。
もう神龍寺には転校のための書類は提出している。
あとはあいさつに行くだけだった。
『阿含怒るだろうな…』
一休は分かってくれるはずだ。
雲水は…弟と比べられる気持ちが分
かるだけに、大反対されそうだ。
清香は苦笑いを零す。
その時顧問室のドアがノックされた。
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