十二支高校野球部キャプテン牛尾御門。

○○は今牛尾の家にいる。

何故かというと…



「今日僕の家に集まって貰ったのは他でもない。僕と○○との婚約発表のためだ」


至極真面目な顔の牛尾。

その横にいる引き気味の○○。


「牛尾、何を言っている。今日は一年の成績向上のため、ここに集まったのであろう」

牛尾と同じ三年の蛇神尊は全く動じない。
しかし、その他のメンバーは違った。

釘バットを持った猿野、大根をふりあげる猪里、ふりかぶる犬飼など。

○○は慌てて皆を静める。

「皆!今日は次のテストに向けての勉強会だよ!牛尾先輩は冗談をおっしゃって場を和ませようとしたんですよね?」

にっこり笑う○○。
それを見て全員が首を振る。

猿野が○○の肩を掴み、揺さぶる。

「おい!○○、お前絶対騙されてんぞ!」

辰羅川がそれを止め、○○に対して心配そうな顔を向ける。

「そうです。あなたは可愛らしいのですから、心配なのですよ」

それに続いて犬飼がぶっきらぼうに言う。

「いくらキャプテンでも、お前は譲れねえ」

もじもじと○○に話しかける子津。

「僕のこと応援してくれて、とっても嬉しくて、その…」

そして、○○に飛びつく兎丸。

「そーだよ!○○ちゃんは皆のものなんだからねっ!」

頬をポリポリと掻きながら呟く猪里。

「そ、そったい。やけん、騙されんでほしいっちゃん」

虎鉄は○○の手をとり、手の甲に口づけをする。

「そうだZE、baby?」


そんな十二支メンバーを見て、○○は目をぱちくりさせる。

「みんな…」


さあ、勉強会を始めようか、という一言で皆が我に返る。

テーブルを動かし準備を始めるメンバー。

○○は顔を真っ赤に染めて、兎丸の隣にいた司馬に近寄る。


「あ、葵くん…皆が、優しくて」

司馬は○○の手をそっと取り、ポンポンと頭を撫でる。

「あれ?○○ちゃんって司馬くんのこと名前呼びなんだね」

兎丸が○○の言葉に反応する。

「う、うん。だって、葵くんは私の彼氏だもん」


兎丸はくちをあんぐりと開ける。

「ししし司馬くんの、彼女なの!?てかてか!付き合ってたの!?」

それを聞きつけ、駆けつけるメンバー。

「聞いてねーぞ!司馬!抜け駆けかよ!!」

「ひどか…俺、全然知らんかったとに」

色んな反応をするメンバー達。


○○はその和気あいあいとした雰囲気がとても好きだった。


(我先にと)


勝負だ!といって互いに取っ組み合いを始めるメンバー。

それを見て、○○と司馬は目を合わせ、微笑み合うのだった。


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