男子と恋バナ
部屋に行くと猪里君、御門、司馬君、兎丸くんがゲームをしていた。

横には座禅を組む蛇神君。

そして笑顔で迎える虎鉄。

「よう!仮名さーん!」

虎鉄が私を迎え入れて、兎丸君と猪里君の間に座らせる。

『御門がゲームなんて珍しいね』

ゲーム画面を見ると、桃鉄らしい。

やったことないなーと思いながら私は横の猪里君を見た。

『それにしてもなんで虎鉄は私を呼んだの?』

「なーんでDa?」

面倒くさい、と一発振りかぶる。

虎鉄は慌ててそれを避け、理由を言う。

「仮名さんと牛尾キャプテンは付き合ってんすKa?」


私と御門は目を見合わせる。

そして同時に笑い出した。

「そんなわけないだろう?仮名は僕の家に下宿しているだけさ」

『そうそう!私は野球を愛してるからね』

御門の発言はともかくとして、私の発言に引いた表情の虎鉄。

『なにか文句でも?』

「い、いやいや!!じゃあ仮名さんは好きな人はいないんだNa?」

うーん、と考える。

脳裏に顔を真っ赤にさせた従兄弟が浮かんだ。

『好きな人、というか、気になる人はいるかも』

その発言にゲームを取り落としたのは御門。

「なんだいそれ、僕は知らないよ」

口をひきつらせる御門。

横にいた猪里君がこちらを見る。

「お、俺の知っとる奴ですか!」

私は首をふる。

『ううん、御門も見たことはないんじゃないかな。監督は知ってると思うけど』

「え!なんで監督は知ってるの!なんでなんでー」

桃鉄をやるのをやめた兎丸君がぴょんぴょんと跳ねる。

可愛い。

『それは内緒。別に気になるって言っても好きなわけじゃないし!』

そう言ってウインクする。

「何故、気になると?」

御門は落ち着いたようだ。

『だってウチの脅威になるんだもん』

あの球威球速。


皆は黙りこむ。



御門が最初に口を開いた。

「もしかして、野球センスが」

『うん、気になってるの』

虎鉄はなんじゃそりゃーー!と叫ぶ。

「なんね、好きな人じゃなかとね!」

猪里は安心したように脱力する。

「……僕に負けず劣らずの野球バカだね」

御門は笑いながらさらりと暴言。

え、みんななんなのどうしたの。


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