バスの席
朝、従兄弟達に見送られて私は集合場所へと移動した。

そこにはかなりの人数が集まっていて、あとは猿野君だけらしい。

『おはよう御門』

「やあ、元気そうだね」

もちろん!と私は御門に笑いかける。

「バスの席はどうするんだい」

全く考えてなかった私は固まる。

『そっか、誰かの横に行かなきゃだっけ』

「僕の隣に来るかい?」

王子様スマイルで微笑む御門。

私は苦笑いをした。

『御門とはいつも一緒にいるから、たまには違う人と相席したいんだけどな』

御門は文句ありげな顔で私を見るが、私の目はすでに他の人達に向けられていた。

「分かった…。ただし二台に分乗するらしいから、僕の方のバスに乗ってくれるかい」

『うん!それは分かってるって!』

猿野君が来たらしく、皆それぞれバスに乗り込む。

運が良いのか、そのバスには一席あまりがあって、私は女子ということで一人で乗ることになった。

こっちのバスにいるのは監督、御門、蛇神君、それに猪里君など。

朝が早かったからか、バスが動き出すとすぐに眠気が襲ってくる。

睡魔には勝てず、私はまぶたを下ろした。


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