白野さんリクエスト

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クラスに色々な意味で馬鹿な奴がいる。
そいつはとんでもない色情魔で、クラスの女子を全員食べた、とか言われるほどだ。
まさに男の敵、奴に男友達及び味方はこのクラスはおろか、この学年に誰一人いないだろう。
と、そんなイケメン馬鹿野郎なそいつは、学力面も馬鹿だった。
本人曰く、「俺は女の子と居れれば良いから〜、べんきょーはいいや〜」だ、そうだ。
このよくわからない言葉に、母性(?)を擽られた女子達は、奴を可愛い可愛い一緒に居てあげると持て囃す。
一方男子はドン引き。もちろん俺も。
まぁ、俺も人の事を言えるほど優れた脳みそを持っているわけでも無いので、周りが奴の悪口をバンバン飛ばす中、一緒になって陰口をする事は無かった。

今思えば、奴の気に食わない部分を全部、悪意全開な言葉で周りと共に垂れ流していればよかったのだ。
そうすればこんな。



「俺ねー、今すっごくあんたの穴につっこみたい」



こんなセクハラ紛いな事、言われていなかったはず。

当然びっくりしたさ。だって、俺と奴の面識なんて、無いに等しい。
そんなほぼ初対面な俺に、この一言だ。奴の思考回路が理解できない。



「あんただけだよ、男子で俺のこと悪く言わないの。すごく気になってさぁ、だからたまーに観察してたの。俺の悪口を言う周りの声を聞きながら、あんたは適当な相槌を打つんだよね。なんかなんか、その姿が赤べこみたいで可愛くて〜!そう思うようになってから、あんたのそのフツーな顔見てたら興奮するようになってきちゃったの。俺、男で興奮なんてしたこと無いのに。そしたら段々、女の子とのセックスじゃ全然気持ち良くないし、あんたを想像してオナ」「ああああ!これ以上何も言うな!!」



いまこいつ、何言ってた。とってもとっても、如何わしい事を言ってたよな。
いくら今は放課後で、この教室に俺と奴しか居ないからって、自重すべきだ。
……あれ、これ俺なんか危険なんじゃ。
急激に自身の安否が不安になる。



「照れてるの?」

「そうじゃねーよ…!」



なんでそうなるの。
俺には理解し難い思考回路を持ち合わせている奴と、話が噛み合わないのが常なのか、俺は今すぐ逃げ出したい衝動にかけられる。
ニコニコといつも女子に向けていた笑顔を俺に向けてくる。やめろ、そんな目で見るな。



「あんたが嫌なら、女の子たちとあんまり喋んないようにするし、あんたが馬鹿な俺が嫌って言うなら、俺べんきょー頑張るよ?」

「っ…」



なんだよ、その思わず可愛がりたくなるような顔は。
恐らく、この表情に女子たちはやられているんだろうな。
思わず赤くなった顔を悟られたくなくて、俺はうつむいた。心なしか鼓動も早い気がする。
さっきまでほんの冗談的なテンションだったくせに、なんでいきなり真面目になるんだ。本格的に早く打ち始めた鼓動を呪った。



「ねぇ、おれ、本気だからね?」



その目、やめてくれよ。嫌でも本気さが伝わってくるから。

言いたいだけ言って、奴はニコニコと教室を出ていった。
既に日が沈みかけた薄暗い教室で、俺は一人机に突っ伏す。

奴は、俺の心をぐっちゃぐちゃにしていきやがった。

顔に居座るこの熱とか全てが、冗談だと信じたかった。



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全くふんわりしませんでした…;寧ろ下ネタばっかりですすみません!攻めを変態に!っと思った結果がこれですよ…(・ω・;)

お祝いの言葉嬉しかったです!^//^企画参加及びリクエストありがとうございました!




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