新しいお父さんとお兄ちゃんができた。

母さんは俺を女手一つで俺を育ててくれたから、再婚に反対なんてしなかった。
でも、今は全身全霊で反対するべきだったと思ってる。



内臓が破裂するんじゃないか?って思うほどの衝撃が腹に襲いかかってきて、一瞬息が止まった。ひゅ、と滑稽な音と息を吹き出す俺を見下ろす、義兄。
歪んだ綺麗な顔に吐き気がした。



「見てんじゃねーよクズ」







白い肌に広がる紫とか青とか、カラフルな斑紋を見るだけで義兄の顔は簡単に頭に浮かぶ。その度に胃から逆流を試みるそいつらを無理矢理飲み下した。

義兄は俺が嫌いみたいで、目が合えばすぐに手を上げた。
痛いことが好きな性的嗜好は持ち合わせていないため、義兄との時間は拷問に近かった。

苦しくて、真っ黒な行いは頭をおかしくする。

抵抗なんてしても無意味だと学習した俺は、義兄から受ける痛みを甘んじて、思考を全て無くし、人形になった。
いつか終わるこの行為をただ耐え続ければ、残るのは血の味と、傷だけ。
受け入れてしまえば、心は傷つかないのだ。








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