続編的なもの

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いつの間にか恋人認定されていた俺は、流されるままコンビニのあの店員と付き合っていた。

前に一度、遠回しに付き合いたくはない意思を伝えてみたところ、三日間の軟禁を受けたため、もう余計な事は口にしないと心に決めた。
…別れようなんて言った日には、無理心中だってやってのけそうだし。



「なーぎさくん」



男の甘えた声とは聞くに耐えない物だな、とこの男と付き合いだしてつくづく思う。
この男がこんな声をあげる時は、大体にしてキスをねだる時だ。
男とキスなんてしたくないが、断った後が怖いので俺は店員と唇を重ねた。
重ねて、すぐ離れようと動くが、店員は俺の顔を押さえて舌を捩じ込んでくる。
うえ、気持ち悪い。
長い口づけを交わした後、俺は彼を攻めるように見上げる。



「舌はヤダ…」

「何で?俺達恋人なのに」



ここで本心(気持ち悪いから)を言う程俺は馬鹿じゃない。
だから、俺は小さく顔を伏せて、「恥ずかしいから…」と、俺の肌を鳥のようにするには充分すぎるセリフを呟く。
こいつはまんまと騙されて、ぎゅうっと俺を抱き締めた。
基本的に優しいから、俺の嫌がる事はしない。



「渚くん可愛い…大好き。今度からはなるべく我慢するね」

「うん…」



なるべくではなく、絶対に我慢してほしいものだ。








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