漸くして、義兄が俺の首から口を離した。かなりの回数噛まれたから、今俺の首は凄く酷いことになってるんじゃないだろうか。
ヒリヒリと痛む首に、俺はいつも通り無心になろうとした。そうすれば、すぐに終わる。
しかし、それは無理だった。

べろり、という擬音が付きそうなほど生々しく傷を舐められた。

ゾワワ、と背中が粟立った。「ひぃ」と思わず情けない声が溢れる。
それに気を良くしたのか、傷をちゅうちゅう吸われた。血を吸われているような、そんな気がした。
いつもと違う、暴力ではない義兄の行動に、俺は急速に不安になっていく。

こわい。

その一言に尽きた。
身を捩ってみたり、滅多に行わない抵抗を試みる。



「っ、…くく、」



ぐにゃり、顔を歪めた義兄が、喉で静かに笑った。
この人がこわいのは前からそうだったが、今日の怖さは違う。
不気味だ。



「やっと俺を見た」



笑うのを止めた義兄が、口元を歪めながら俺の瞳を真っ直ぐ見つめた。
義兄の瞳は、先日の義父のような欲情が含まれていた。



「そうだ、お前は俺を見ていればいい。俺だけを、ずっと」



寒気が背中を駆け抜け、俺は未知なる恐怖に泣きそうになった。



「親父にだって、誰にも渡さない。なぁ、輝彦?」



初めて呼ばれた自分の名を聴いて、俺の頬を何かが伝った。



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ば、バッドエンド…?
今後も輝彦は義父兄からの濃い愛をぶつけられるんですね、がんばれ
半端な感じですみません








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