学校から帰ってきたら、大体は義兄からの暴行を受けるのだが、今日は勝手が違かった。
義兄は俺の頭を掴んで、自らの顔に近づけさせる。綺麗な顔に息が止まった。
いつもと違うという変化だけでも、俺の心臓はドキドキと大きい音をたてた。



「なぁ、これなんだよ」



至近距離で喋る義兄が、俺の首を人差し指で押しながら静かな声をあげる。

心臓が、一際大きな音を立てた。

義父の顔が頭に浮かんで、腹の底から何かが込み上げる。
気持ち悪い。そう思った。

ゆっくりと、じわじわ犯すように包帯が解かれていく。体は動かず、指の先がやけに冷たかった。
兄の手が、包帯を解き終わり、俺はきつく目を閉じた。
怖い。今まで受けた暴力よりも、圧倒的に怖かった。
義兄の指が、するりと首の痣を掠める。それだけのことに、体は過剰に反応してしまう。
黙ったままの義兄が、俺の頭から手を離すと両腕を掴んだ。
何事かと、恐る恐る目を開く。義兄の顔はやたらと近く、正直吃驚した。
ふと、義兄と目が合った。義兄は口元を歪めると、俺の首もとに顔を埋めた。途端、鋭い痛みに襲われる。
義兄の顔をはがそうにも、掴まれた腕は使い物になりそうも無かった。








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