蛙の子は蛙、と言うが、義兄と義父はまさにそうだ。
俺を押し倒した義父は色気の濃い笑みを浮かべ、首を絞めながら俺の処女を奪って行きやがった。まぁ、男に処女など存在しないのだが。
まだ童貞だって捨ててないというのに!という気持ちでいっぱいになりつつ、息の出来ない苦しさと、感じた事のない痛みから義兄の暴力の時とは変わって俺は泣きじゃくった。
やめて、と首を振って懇願するが、義父は笑うだけで行為を止めてくれることは無かった。



目を開けば自分の部屋で、服をきちんと着た姿で寝ていた。身体を起こせば、腹部の痣以外にも尻の穴から痛みが襲った。
義父とのあれが、現実だったんだと思い知らされた。
あぁもう、俺が何をしたって言うんだ。滲む涙で視界が煙る。

家を出たい。

常々考えていたものが一気に溢れ出した。
殴られるくらいなら耐えられた。しかし、今回でわかった。
凌辱だけは無理だ。



泣いて熱を持った目元を冷やそうと、洗面所に向かった。
時間が遅いのか、一階は真っ暗でシンとしていた。
鏡に映る俺は、瞼を腫らしていてかなり不気味だ。
首をよく見れば、ぼんやりと赤紫色になってしまっているし、義父の柔和な笑みと忌々しい行為を思い出して胃液を少しだけ戻した。








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テーマ「人外ファンタジー」
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