遊園地から帰ってきて、俺は大和と寮の自室に入った。結構疲れたなぁ、という言葉に大和からの反応はなく、俺の寂しい独り言として終わった。
なにこれ切ない、とか思っていたら、「ねぇ」大和が喋りだした。
俺は後ろにいる大和を見るため振り返る。



「っ!」

「二又に何かされたり、した?」



予想を凌駕する近さにいた大和が、笑顔でそう言った。否、笑顔ではない。目が、全く笑っていなかった。
俺は直感でこの大和の質問の答えを間違えたら大変なことになると悟った。
俺は無理矢理笑顔を作って、いい放った。



「そんなの、あるわけないだろ?会計は俺のことを好いてないんだし」

「……それもそうだよな!わりぃ、和哉が心配でさ」



いつもと同じ笑顔に戻った大和に俺は安堵する。しかし、次の呟きで俺の背筋は凍った。



「なんかあったりしたら、二又のこと潰してるところだった」








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