「何見てんだよ平凡」



場所は生徒会室。会長に呼ばれて来てみれば、会長本人は居らず、チャラ男会計が一人だけでいた。恐らく、会計から落としていけって事だろう。

先程まで俺を無いものとして扱っていたが、目があった途端これだ。
俺を忌々しそうに見下す会計。
そうだよ。俺は大事な事を忘れていた。

美形は全員、大和が好きなんだよ。

すなわち、友達である俺が気にくわない。さらに言ってしまえば、俺が嫌い。つまり、マイナスからのスタート。つまりつまり、俺が会長の萌えになれることは難しい。
色々な悪いことが俺の頭を駆け巡る。

反応を示さない俺に向けて、舌打ちをする会計。大和といるときとは真逆な態度に、俺は肩を竦めた。



「てかさ、俺マジお前の事嫌いなんだけど。なんでお前みたいなのが大和にひっついてんだし」



そんなに大和が好きなのか、と俺はこの剣呑な雰囲気とは反対に、ほのぼのとした気分になった。
しかし、大和がいないならお前は只のチャラ男会計だ。
会長との約束がなければ、関係なんて一切合切とらないだろう。

俺は目の前の人物に対して、曖昧な表情を取った。
恐らく、笑顔のなり損ないみたいな顔だろう。
俺のその顔にイラついたのか、会計は本日二度目の舌打ちを鳴らした。








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テーマ「人外ファンタジー」
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