「石橋。会計に何か言われたか?」
当然とでも言うようにソファーに座る会長は笑顔で言った。俺は頭をふる。会計にはテスト勉強以来会っていない。
会長は意外そうな顔をすると、何か考え出した。
「…明日あけとけ」
「え、何でですか」
「大和とデートに誘うからお前もついてこい」
え、とまた声を出す。デートの光景を見れるなんて願ってもない事だが、俺がいたら邪魔じゃないか?
俺が変な顔をしていたからか、会長は付け足した。
「ダブルデートだ」
「だ、ダブルデート?!」
俺は目を丸くする。それじゃあ俺と大和と会長以外に誰か一人いるって事だよな。
そもそもデートの光景を見るならいいのだが、自分もするとなると話が違ってくる。
会長に俺の相手は誰なのか聞いてみるが結局教えてもらえなかった。
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