ジュースも全て飲まれてしまい、なんとなく物足りない気分で未だに言い争いを続ける大和と爽やかを眺める。ケンカップルって素敵だよなぁ。



「和哉も日比谷に言ってやれよ!」

「いや、俺は別に」

「石橋は俺と間接ちゅー出来て嬉しいってさ」



何勝手なことを。ニヤニヤしながら言う爽やかを呆れながら見る。
大和は爽やかの言葉を真に受けて更に騒ぎだした。
流石にこの声のでかさは他の人に迷惑だ。現に何人か迷惑そうに通りすぎて行った。



「大和、声抑えて」

「だって!」

「なんの騒ぎだ」



何か言いかけた大和を遮って、凛とした声が響く。
廊下は一気に静かになった。「うわ…風紀委員長…」大和が嫌そうに言った。そこはときめきながらがよかったな。
騒ぎを聞いたであろう風紀委員長が眉を寄せながら此方にやって来た。カツカツと靴がなる。



「廊下で騒いで良いと思っているのか?」

「思ってないです」



俺が言う。大和と爽やかが頷いた。
委員長は一度俺たち三人を見た後、「以後気をつけるように」と言って来た道を戻っていった。



「風紀委員長おっかねーな」



爽やかが肩を竦めながら言う。大和が大きく頷いた。
俺はそこまで怖い人では無いと思うけどな、とか考えていた。








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