ガシャン、と音を立てて飲み物が落ちてくる。
金持ち高校でも自販機はあるのだ。
俺はそれを取り出して飲み始めた。テストが終わったご褒美だ。
テストが返されるのは来週だが、勉強したお陰でいつもより良い点なのは確信していた。
「和哉ー!」
「お、大和」
大和が手を振りながら此方にやって来た。テストも終わったことだし、これから心置きなく大和の総受けを見れるな。と缶ジュース片手にニヤニヤした。
「俺を置いてどっか行くなんて酷いじゃねーか!」大和が可愛い顔で怒るので、俺はそのサラサラふわふわの頭を撫でた。
「ごめんごめん、これ飲んで落ち着け」
俺は冗談で飲み掛けのジュースを差し出す。大和の動きが止まった。
飲み掛けなんていらない、とつっこんで欲しくてウズウズしていれば、何処かから出てきた手にジュースを奪われた。
「ひ、日比谷!」
「へへ、仕返しだ!」
そう、悪戯っぽく笑った爽やかは俺のジュースを全て飲み下した。「日比谷!!お前、絶対許さないからな!」大和の叫び声と爽やかの笑い声が廊下に響いた。
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