会長視点

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二又を連れて図書館で一番人が来ない、絵本のコーナーへやって来た。大体、高校生は絵本読まないだろ、とここに来る度思う。新品同様なまま放っておかれてる絵本も、こんなところに来たくなかっただろう。…まぁ、今は全く関係ない話だが。
今は石橋へのアシストが優先だ。



「なんのようすか、会長」



二又が気だるそうに声を上げた。

俺はわかる。
二又は石橋に好意がある。

その好意を自覚せてやるのが俺なりのアシストだ。


「二又、石橋を平凡だと思っているだろ」

「?実際そうじゃないすか」

「甘いぞ二又」



俺が鼻で笑いながら言えば、二又の顔が怪訝そうに歪んだ。「どういう意味ですか」二又は低い声で呟いた。



「石橋は只の平凡じゃない」

「…」

「日比谷の態度を見ただろ?只の平凡が日比谷をあんなに出来るか?」



二又は黙ったまま俺の話を聞いていた。「書記だって、阿部だって。お前は気づいてるはずだ」更に煽るように続ける。



「平凡だからって余裕見せてるとどこか行っちまうからな」



二又が目を見開く。俺は二又がなにか言う前にその場から立ち去った。



「…そんなの分かってるよ」








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