「ち、ちょっと待ってください会長さま」

「なんだ?お前にとってもいい条件だと思うぞ?断るなら、俺は俺様生徒会長じゃなくなるからな」



俺は混乱を繰り返す頭を必死に回転させた。

一押しの攻めである俺様会長がいなくなるのはかなり痛い。だって、俺はかなり俺様×美少年のカップリングが好きなのだ。否、愛していると言っても過言でない。

それを知ってか知らずか、会長は俺に究極の選択を突きつける。
どうすればいいんだ、と思いつつ、俺は一抹の疑問を口にした。



「俺みたいな平凡、二次元でもないのにちやほやはされないと思うんですけど…」

「フッ、大丈夫だ。その辺は俺がなんとかするさ」



なんとかされても困るけども。
徐々に、俺が会長の協力をする方向に持っていかれている気がする。
しかし、ここで断れば俺の萌えが……。

ふと、俺の中にもうひとつの疑問が。
もしも、万が一、本当に万が一、俺と美形とのイチャイチャが実現したとして、そしたら、大和の総受けが眺められないんじゃないか、というものだ。
一押し攻めの会長がいればいいとも思うが、やはり総受け姿も見ていたい気もする。

その辺はどうなのだろう、と会長を見やるが、会長の謎の圧でそんなことを言える雰囲気ではなかった。
俺は、総受けをとるか、会長を取るかの葛藤の末、俺は静かに肩を落とした。



「これからも俺様でいてください…」

「あぁ。お前も頑張って美形を虜にしろよ」



会長は微笑むと、教室を出ていった。
取り残された俺は、自分の選択が合っているのかすらわからないままだった。








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テーマ「人外ファンタジー」
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