「あ…い、石橋…!」
三人で図書館に向かっていれば、俺が誰かに呼ばれた。誰だろう、と振り向けば、書記がスクールカバンを抱えた姿で立っていた。
書記を見た会計が、眉をピクピクさせながら声をあげた。「なんで生徒会メンバーの俺じゃなくて、平凡を一番に呼んだんだよ」どこに怒ってるんだこの人、と思いつつ、書記の出方を伺う。書記は一度きょとんとした後当然のように言った。
「見えない」
「は?」
「…石橋以外、見えなかった」
会計は思いっきりしかめっ面をすると、「日比谷と同じかよ」と小さく呟いた。
日比谷と同じって変態ってことか…?
書記が変態には見えないけどな、と思いつつ、視線を書記にうつした。書記は何処と無く嬉しそうな顔で俺を見つめ返してくる。
「何見つめあってるんだよ!」
何故か会計に怒られ、俺は思わず謝った。書記は会計を少し怖い顔で見た後、俺を見てその何時もは無表情な顔に笑みを浮かべた。
「どこ、行くの?」
「図書館に行くんだ!そうだ、花家も一緒に勉強しようぜ!」
大和が俺の代わりに答える。
勿論、大和の誘いを断るわけないのだろう。書記はこくりと頷いた。
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